中学卒業生座談会
2024年度卒業生座談会


石川 未悠さん
芸術科 音楽コースを卒業。2025年4月より昭和音楽大学 音楽芸術表現学科 ピアノ演奏家コースに進学。

土屋 柊人さん
探究創造科 科学創造(現:科学情報)コースを卒業。2025年4月より公立はこだて未来大学 システム情報科学部に進学。

櫻田 莉奈さん
普通科 特進コースを卒業。2025年4月より信州大学 繊維学部 先進繊維・感性工学科に進学。
先生方の熱心な指導が心に残っています
――浜松学芸中学校に入学した理由を教えてください。
- ■石川:
- 浜松学芸高校の音楽コースに進むことを考えて、中学校から学芸に入りました。音楽コースのレベルがすごく高いということを聞いていて、中学時代からそういう先輩たちの近くで学んだり演奏を聴いたりすることが自分の糧になると考えました。
- ■櫻田:
- 学芸の文化祭を見に行って雰囲気の良さを感じたことがきっかけです。また、私はテニスをやっていたのですが、一般的に高校生から始めることが多い硬式テニスを、中学時代から経験できることも魅力でした。
- ■土屋:
- 私の兄が浜松学芸中学校に通っていて、小学生の頃から文化祭を見に来ていました。自然科学の探究活動をよく見学していた記憶があります。その時から学芸に興味を持っていました。
――中学校に入学後、特に印象的だったことは何ですか?
- ■石川:
- 私が驚いたのは、中2のイングリッシュキャンプです。日本語を使わず英語だけで会話をするのですが、初めての経験だったので緊張してあまりうまく話せませんでした。また、英語の劇をみんなで練習して発表したことも印象に残っています。
- ■土屋:
- 私たちが中2の時はコロナ禍で、例年とは違いイングリッシュキャンプが学校内で行われたんです。また、文化発表会というイベントにもコロナの影響があって、例年行っていた合唱ができなくなり、2年次はボディパーカッション、3年次はダンスを発表しました。
- ■櫻田:
- 結果的に、3年間別のことを発表することになったのですが、中心になって活躍する人が毎年変わり、それぞれの得意なことを表現できて良かったと思います。発表の内容や構成を自分たちで考えたので難しさはありましたが、良い思い出になりました。
- ■土屋:
- 3年間を通して、先生方がとても熱心に指導してくださったことが印象に残っています。先々のことまで考えて親身になってアドバイスをくださったおかげで、「中学校生活を頑張ろう」と思えました。
- ■石川:
- 私も同じです。中2の時に少し友人関係で悩んだことがあったのですが、担任の先生方がとても親身になって話を聞いてくださり、たくさん助けていただきました。
――浜松学芸高校は6つのコースがありますが、高校進学の際はどのようにコースを決めましたか?
- ■土屋:
- 中3の秋に「コース体験会」が開催され、興味のあるコースのプログラムを体験しました。私は科学創造(現:科学情報)コースでプログラミングを体験して面白さを感じました。また、eスポーツや科学的な研究なども経験できると聞き、「このコースに行くしかない!」と思いました。
- ■櫻田:
- 私は中3の時にはまだ将来の夢や進みたい大学が決まっていなかったので、特進コースで幅広く学びながら進路を決めようと思いました。
- ■石川:
- 中高一貫校の中でも、高校の科やコースがこれだけ多様な学校は珍しいと思います。中学校の3年間にいろんなコースの先輩たちを見て、ゆっくり進路を考えられたことがとても良かったと思います。
――中学時代から高校の学びや学校生活について知ることができるのは、中高一貫校ならではの特徴ですよね。
- ■土屋:
- そう思います。浜松学芸中学校の先生方は高校の授業も担当されていて、高校までの学びを視野に入れて指導してくださいます。
- ■櫻田:
- 私は、中学で数学を教わった先生に高校でも3年間教えていただきました。高校に進んでからの話ですが、私たちのクラスで「数列」が苦手な生徒がいるとわかった時に、数列に特化した授業を特別に行ってくださいました。数列のポイントがパッと見て分かるようなテキストも作ってくださり、苦手の克服につながりました。つまずく生徒がいてもしっかり救ってくださる姿勢をありがたく感じました。
――中学・高校生活を終えて、皆さんはこの春(2025年4月)大学に進学します。受験先の決定や受験の準備はどのように進めましたか?
- ■石川:
- 進学先を決めるきっかけとなったのが、音楽コースの先生の紹介を受けて、音楽大学の先生のレッスンを受けたことです。レッスンの内容が素晴らしくて、「この先生のいる大学に行って指導を受けたい」と思いました。それが昭和音楽大学です。特待生制度に挑戦しようと思って頑張って準備し、特待生として入学することができました。
- ■土屋:
- 私は科学創造(現:科学情報)コースでプログラミングに力を入れてきたので、情報系の大学に進みたいと考えていました。国公立をめざしたいと考えていた時、担任の先生のアドバイスを受けて見つけたのが、公立はこだて未来大学です。調べてみたら自分のやりたいことができる環境があり、オープンキャンパスにも行きました。
- ■櫻田:
- 私も担任の先生のアドバイスが受験先を決めるきっかけになりました。私は高3になるまで建築学部や工学部などの学部を迷っていたのですが、ある時、先生が信州大学の繊維学部のことを教えてくださったんです。最初は繊維のことを深く知らなかったのですが、調べてみたら面白そうなことに取り組んでいる学部だと感じ、受験することを決めました。
――大学進学後の目標を教えてください。
- ■櫻田:
- 私の進む学科では、人の感性を可視化する技術を学ぶことができます。人が魅力を感じるようなもの、人の幸せに貢献できるようなものを作れるよう、研究に取り組みたいと思います。
- ■土屋:
- まずは勉強を頑張りたいと思います。大学で講義を受け、その他の時間にはプログラミングにも力を注ぎ、自分の好きなことがたくさんできる4年間になると思います。とてもわくわくした気持ちです。
- ■石川:
- 音大には音楽を専門に学んできた人たちが集まるので、その環境でさらに成長したいと思います。たくさんコンクールに出て技術やメンタルを鍛え、自分の力を出し切れるようになりたいと思います。
浜松学芸中学校での3年間で、視野が大きく広がりました。
――改めて中学校時代を振り返っていただきたいと思います。教科の学び以外で特に印象に残っていることは何ですか?
- ■石川:
- 私は探究活動ボランティアに入っていて、休日などにボランティア活動に取り組んだことが思い出に残っています。遠鉄電車(赤電車)の駅の草取りをしたり、ファーストリテイリングさんとUNHCR(国連難民高等弁務官事務所)が取り組む「“届けよう、服のチカラ”プロジェクト」に参加して、着なくなった服を集めて海外に届ける活動をしたりしていました。
- ■土屋:
- 浜松学芸中学校は修学旅行や文化祭などのイベントも充実していますし、球技大会もあって楽しい学校生活を送ることができました。また、中3の時にプログラミングの面白さに目覚めたことがきっかけで、中学校の終わり頃はプログラミング一色の毎日を過ごしました。
- ■櫻田:
- 最初に思い浮かぶのはテニス部の活動です。中学生の時から高校生の先輩に混じって練習したこともありました。中学生と高校生ではプレースタイルなどが全然違うので、「高校生になるとこういうことが求められるんだ」ということを先に知ることができました。また、一般的に中学校の部活動は中3の夏頃に終わると思いますが、私たちは中高一貫校なので中3の秋も冬も練習を続けることができます。その間も練習を続けたことが、大きな差になったと感じます。
――高校ではそれぞれ別のコースに進んだわけですが、各コースでどんなことに力を注ぎましたか?
- ■櫻田:
- 特進コースは、コース全体が3年間を通じて「勉強にしっかり取り組む」という雰囲気でした。私も勉強に力を入れ、毎回の定期テストの際はすごく頑張りました。
- ■石川:
- 櫻田さんが勉強に力を入れていることは、音楽コースにいる私も知っていました。あとは土屋君がプログラミングを頑張っていることも、情報の先生によく聞いていました。
- ■櫻田:
- それぞれ違うコースに分かれた後も、夏休みの「学芸ゼミ」を一緒に受講したり、校内で顔を合わせたりする機会はあったので、土屋君や石川さんの様子は知っていました。
- ■土屋:
- プログラミングをしてゲームなどを作った時に、中学時代の友だちがいるクラスまで行って「こんなのができたよ」と見せたこともあります。
私は最初、「キーボードを押すと三角形のひとつの頂点が動く」という内容の簡単なプログラミングをしていたのですが、高1になるとJavaScriptやCSS、HTMLなどを利用してゲームやサイトの制作を行いました。高2になってからは人工知能を利用したPythonを自主的に学び、研究課題に結びつけてコンテストや学会などで発表しました。静岡大学の「高校生探究・情報コンテスト」の審査員特別賞を受賞するなど、学校外のコンテストで入賞することもでき、とてもうれしく思っています。
――石川さんもピアノのコンテスで受賞した経験があるそうですね。
- ■石川:
- はい。高2の時、「第46回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール全国大会」に出場し、第5位に入賞することができました。
私だけでなく、学芸の音楽コースはみんなが高い意識を持って音楽に取り組んでいます。練習に対する意気込みも強く、多くの生徒が学校の門が開く7時に登校して、授業前に1時間ほど練習します。放課後も3時間ほど練習するなど、音楽に全力を注いだ毎日でした。
――中学・高校の6年間を通じて、先生方の指導について印象に残っていることを教えてください。
- ■石川:
- 私は、高校3年間ピアノを指導していただいた先生に、担任としても3年間お世話になりました。私が悩んだり壁にぶつかったりした時に、その先生はいつも同じ目線に立って一緒に考えてくださり、本当に感謝しています。たくさんご迷惑をかけたと思いますが、先生のおかげで3年間音楽をやり遂げることができました。「3年間ずっとそばにいてくださって本当にありとうございました」という気持ちです。
- ■土屋:
- 学芸の先生方は生徒の将来のことを考えて、一人ひとりに向けて本当に親身になって指導してくださいます。中学時代にあることで先生に叱られたことがあるのですが、その時、「土屋が大人になった時に何かの縁で会うことがあるかもしれない。その時に『今も頑張っているな』と話せるような、自立した大人になってほしい。だから今こうして叱っているんだよ」という言葉をくださいました。そのことが強く印象に残っています。
- ■櫻田:
- 私も、先生方の指導や話してくださった言葉が印象に残っています。私は中3の時点で将来の夢が決まっていなくて、大学進学に対する意識もまだ薄く、学芸以外の高校に行こうかと迷ったことがあったんです。その時に先生方がすごく親身になって、浜松学芸高校のことを教えてくださったり、大学で学ぶことの意義を教えてくださったりしました。あの時の言葉が本当にありがたいものだったと、今改めて思います。
- ■石川:
- 振り返ると、自分の視野が大きく広がった中学時代でした。一人ひとりの先生方が個性的で豊富な知識を持っているので、その先生方を通じて新しい世界をたくさん知ることができました。私たち中高一貫生が恵まれていたのは、中学時代からそういう先生方と接して将来に向けた準備ができたことです。浜松学芸中学校に入って本当に良かったと思っています。
※掲載情報は取材時(2025年3月時点)のものです
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