生徒たちに身につけてほしいのは、
疑問を解決していく論理的思考力です。
担当教科/社会 大場 裕幸 中学部長

教師の仕事に就こうと思った理由や、きっかけとなったエピソードを教えてください。
大学入学当初は小学校の先生を目指していました。しかし、古都奈良で生活し、歴史の面白さを専門的に教えるには中学校・高校の先生の方が良いのではと考えるようになりました。奈良ではたくさんの寺社仏閣や博物館見学をしたことが今でも良い思い出として残っています。
また、学生時代に最も力を入れていたのがテニスでした。テニスを通してたくさんの人たちと交流することができ、テニスが自分を大きく成長させてくれました。アルバイトながらもテニスコーチを6年間経験し、テニスの楽しさ・スポーツで得られる感動を子どもたちに伝えていきたいと考えたとき、「中学校・高校の先生しかない」という気持ちになりました。
高校での学びを通して、生徒の皆さんにどんな成果や成長を期待しますか? また、どんな面白さを感じてほしいですか?
「過去は知ることはできても変えることはできない、未来を知ることはできないが変えることはできる」。より良い未来を築くためには、過去の失敗や成功を学ぶ必要があります。
また、グローバル化が進む国際社会において、多文化理解は必要不可欠です。さまざまな価値観を理解するために「なぜ」・「どうして」という疑問を持つことが大切だと考えています。時には自分が正しいと思っている価値観に疑問を持ち、客観的に考え、自分なりの意見を持てるようになってもらいたいと考えています。
より良い未来を築くためには、何を学ぶ必要があるでしょうか。未来に不安を抱くより、未来を築いていく楽しさを見につけてもらいたいと日々考えています。
授業をする上で特に意識していることは何ですか?
私の授業では、歴史用語や地理用語を聞く質問より、なぜ?・どうして?など理由を聞く質問を多くしています。もちろん知識を得るために用語を暗記することも大切ですが、現代社会が直面している問題を解決するためには論理的思考力は欠かすことができません。また、新しい価値観を受け入れるためには、「なるほど」といった理屈での理解が必要です。そのため生徒には、常に疑問を持ち、疑問を解決していく思考力を身につけてもらいたいと考えています。
大場先生の指導を受けた生徒に、学びの成果を社会でどう活かしてほしいですか?
現代社会の諸課題は複雑で、簡単に解決することは困難です。でも、「課題に対して自分ができることは何だろう?」と常に考える姿勢を持ち続けてもらいたいと考えています。世界的な課題解決に取り組む人、地域の課題に取り組む人、いろいろな立場にたって活躍する人がたくさん育ってくれるとうれしいです。
教師という仕事をする中で、特にやりがいを感じるのはどのような時ですか?
気が付いて自分から行動してくれる生徒をみかけると、とてもうれしく感じます。教えられたことはすぐ忘れてしまうけれど、気が付いたことは忘れないものです。大切だと思うことは繰り返し指導しますが、なかなか身に付かないものです。しかし、何度も伝えていればいつか気が付いて行動に移してくれる生徒も多くいます。
中学・高校生の間には気が付かなくても、「先生が言っていたことの意味が最近分かりました。」と伝えに来てくれる卒業生に会うと、教師という職業のやりがいを感じさせてもらえます。
「浜松学芸高校の魅力」について、大場先生の感じていることを教えてください。
進学校であることは間違いないのですが、自分のやりたいことがあればどんどん背中を押してくれる学校だと思います。以前、クラスの半分以上が何かしらの全国大会に出場したことがありました。写真やピアノ、ボランティア活動、ボーイスカウト、一輪車、リコーダーなどさまざまな分野で、さまざまな活躍を見せてくれました。探究活動・部活動に限らず校外での習い事など、好きなことをトコトンやれる校風が根付いてきているように思います。
これから浜松学芸高校に入学する人に向けて、メッセージをお願いします。
苦手を克服することも大切ですが、得意を磨くことはもっと大切だと思っています。将来の進路を考えたとき、苦手分野克服のために大学の進学先を選ぶことはないでしょう。就職する際も、自分の得意を武器にしていくのではないでしょうか。中学・高校時代に自分の得意なことに熱中してみてください。私たちはそんな新入生を全力でサポートしていきます!