芸術科 書道 コース

- ■ 理論と実技の両面から書を学ぶ 文字に自らの感動を表現する芸術である書を深く、広く学んで行きます。
- ■ 考えて書くことの実践 書の美しさとは何かを探ります。筆の接触から離脱まで、一画一画をどのように書くのか、また、一枚の作品にどのような世界をつくり上げるのかを考えて書くことを実践していきます。好きなことを深く追求しながら対話的で深い学びに導きます。
- ■ 社会とのかかわりの中で発信する思考力を育む 校外学習で筆・硯・紙の製造工程を学びます。書の伝統や文化を理解し、現代社会とのかかわりや、発信方法について考えます。書き初め教室を実施し、地域社会に根差した活動の中で、発信する力やコミュニケーション能力を養います。
多様な表現ができるようになりました。
書道コースの特徴は、「漢字・仮名・実用・篆刻・刻字」という幅広いテーマで書道を学べることです。先生方の指導はとても熱心で、目の前で書いて見せてくださったり、何度も添削してくださったりします。そうした指導を受ける中で、筆の使い方や自分に不足していることを知り、次の制作につなげられるようになりました。また、地域の子どもたちを対象にした「書初め教室」では、指導することの難しさや楽しさを感じることができました。
自分自身の成長を実感している点は、起筆・送筆・収筆や線の深さ・強さなど、求めている筆の使い方が分かり、さまざまな表現ができるようになったことです。また、名筆を学ぶ学習法である古典の臨書を通して、作品を見る際の観察力や書く際の集中力を高めることができました。今後はさらに書道を深く知り、自分の思いを書で表現できるようになりたいと思います。
鈴木 虹心(掛川市立北中出身)

教育プログラム
■4つの専攻別教育
漢字の書

篆書・隷書・楷書・行書・草書の五体を学ぶほか、過去の優れた書を追体験しながら自分の「字姿」を創ります。名筆の歴史を学びながら書いたり鑑賞したりすることによって、さまざまな字形や線質を理解していきます。
実用の書

日常生活で書を活かす場面や場所に合わせたスタイルを考え、表現します。また、硬筆書写技能検定試験の合格をめざして練習課題に取り組むことも特徴です。基礎から細部にわたって分かりやすく指導し、技術向上につなげます。
仮名の書

芸術的な書として、日本的な仮名の美しさを学びます。線のつながりを出すために、連綿(文字を連続させて書くこと)の際に呼吸も工夫して書くなど、仮名の書ならではの表現を意識します。
篆刻・刻字(てんこく ・ こくじ)

篆刻とは、石や木などの印材に芸術的に文字を刻し、表現することです。刻字とは、木に文字を彫りつけて書を立体的に表現することです。刻し方やデザインにこだわりながら個性を表現していきます。
カリキュラム
年間イベント
■ 2023年度 書道コースの主なイベント(予定)

校外学習
筆・硯・和紙の産地や工房を訪ね、それらの産業に従事する方々から話を聞き、書道に必要な用具・用材を深く理解するための行事です。コースに在籍する1~3年生や同じ学年の生徒同士が親睦を深め、心を通わせることも目的としています。

作品展
クリエート浜松で行われる「作品展」は、3年間の集大成となるイベントです。自分自身のテーマで制作を行い、高校時代に取り組んできた芸術活動の成果を発表します。自分が制作した作品を紹介するギャラリートークも注目です。

文化祭
文化祭では作品展示はもちろんですが、学芸の文化祭の風物詩となっている「うちわ即興書き」を行っています。希望する文字をその場で書道コースの生徒がうちわに書き上げます。例年、長い行列ができるほど人気の行事になっています。

書き初め教室
書道コースの生徒たちが毎年行っているのが、地域の小学生を対象にした書き初め教室です。浜松子ども館などにも出張し、筆の持ち方などの基本から指導します。普段とは違う立場で書に関わる経験が、生徒たちを一段と成長させます。

修学旅行
2022年の修学旅行では、筆の生産量全国1位の広島県熊野で筆の製造工程を見学し、筆作りを体験しました。また現代アートの聖地である直島のベネッセミュージアムや地中美術館を訪れて美意識や自由な感覚を養い、書道の理解とアートの感覚を磨く貴重な旅となりました。
主なイベント(予定)
- 〇4月
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- 校外学習(美術館見学など)
- 〇6月
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- 文化祭(作品展示・アートライブ)
- 〇6月下旬
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- 文部科学省後援書写技能検定
- 〇7月下旬~8月
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- 夏期実技講習会
- 〇8月
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- 夏期ゼミ(100以上の学科講座)
- 〇9月上旬
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- 高3作品展(クリエート浜松)
- 〇9月下旬
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- 校外学習(東京国立博物館見学など)
- 〇11月中旬
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- 文部科学省後援書写技能検定
- 〇11月下旬
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- 高2修学旅行
- 冬期実技講習会・学芸の杜
- 〇12月下旬
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- 書き初め教室
- 〇1月下旬
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- 文部科学省後援書写技能検定
- 〇2月下旬
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- 校外学習
- 〇3月下旬
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- 特別講座
地域との連携イベント

井伊谷宮150年例大祭
奉納書道パフォーマンス
2022年9月、南北朝時代の宗良親王を祀る井伊谷宮150年例大祭で奉納書道パフォーマンスを実施しました。当日は悪天候に見舞われましたが、書道家の永山玳潤さんとコラボレーションし、心を込めて書き上げました。

チャリティーコンサート
“Pray for Ukraine”作品展示
2022年5月に開催されたのが、浜松の音楽家や演奏者たち、子どもたちによる人道支援のチャリティーコンサート“Pray for Ukraine”です。書道コースはこの趣旨に賛同し、会場ロビーに作品を展示しました。場所の関係もあって小さな作品となりましたが、平和への願いを表現しました。

聖隷浜松病院作品展示
聖隷浜松病院B棟2階のギャラリー「ミテコ」は、医療に従事する方や病院に来訪した人たちの憩いの場になっています。過去数年にわたり、書道コースの生徒が7月~8月と1月に作品を展示しています。
浜松市立開成中学校への作品貸与
文化や芸術に対する豊かな心の育成を図る一助として、浜松市立開成中学校文化発表会に美術コースと書道コースの生徒の作品を展示しました。この取り組みは、中学校の生徒たちに本校の芸術科美術コースと書道コースを知ってもらう進路学習の一端にもなりました。
浜松市立萩丘小学校への作品貸与
浜松市立萩丘小学校コミュニティースクールの企画で、浜松市立萩丘小学校に美術コースと書道コースの生徒の作品を展示しました。同校ブログには「美術館がやってきた!」「子供たちの心が潤う機会をいただきました」と、うれしいコメントがありました。
- 2020年
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- 浜松市南区の街道や旧跡の「道しるべ」を揮毫
- 「書の甲子園」団体の部中部北陸地区で優勝したことを受け
選抜甲子園出場校応援動画作成(主催者からの依頼) - 浜松市動物愛護教育センター主催行事で「アートライブ」開催
- 「小・中学生の俳句を静大衛星で宇宙へ」にて俳句短冊を揮毫
- 2021年
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- 「第40回ふるさと知名人チャリティー色紙展」題字制作
- 浜松経済クラブ新春交歓会にて書道パフォーマンスを披露
- プレ葉ウォーク浜北にて書道パフォーマンスを披露
- 浜松エール飯ロングバージョン会場にて作品展示
- 2022年
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- 井伊谷宮にて書道パフォーマンスを披露・奉納
- 「Pray for Ukraine」作品展示
- 聖隷浜松病院ギャラリー「ミテコ」にて作品展示
- 浜松市立開成中学校にて作品展示
- 浜松市立萩丘小学校にて作品展示
卒業後の進路

- ■2009年度卒業
- 芹澤 麻美子さん
- 大東文化大学
非常勤講師 他

- ■2015年度卒業
- 成岡 陽奈さん
- 公立小学校教諭

- ■2016年度卒業
- 淺井 季都さん
- スズキ(株)

- ■2016年度卒業
- 外山 奈々加さん
- (株)トーハン
- 書道家
- 教員(小学校・中学校・高等学校・大学)
- 書道講師
- 書道関連事務
- 市役所(公務員)
- 一般企業(銀行・百貨店・信用金庫・新聞社・ホテル業他)など
■ 主な進学先
◆国公立大学(書道関係学科・コース)
- ・筑波大学
- ・東京学芸大学
- ・静岡大学
- ・大阪教育大学
◆国公立大学(書道関係以外)
- ・静岡文化芸術大学
◆私立大学(書道関係学科・コース)
- ・國學院大學
- ・大東文化大学
- ・二松学舎大学
- ・京都橘大学
- ・花園大学
- ・岐阜女子大学
- ・四国大学
◆私立大学(書道関係以外)
- ・千葉商科大学
- ・東京農業大学
- ・東京成徳大学
- ・常葉大学
- ・愛知大学
- ・愛知学院大学
- ・愛知学泉大学
- ・豊橋創造大学
- ・名古屋芸術大学
- ・京都ノートルダム女子大学
- ・京都美術工芸大学 他
高校教育
Highschool