高校教育

普通科 特進 コース

■先輩の声 vol.1

菊池 亮さん ファストドクター(株) 代表取締役
  • ■2004年度卒業
  • 帝京大学医学部医学科出身。全国の医療提供体制を支えるサービスを提供する、ヘルスケアスタートアップの会社を経営する。

高校の校訓「内観」「受容」「継続」が、
社会人としてのコンピテンシーの
基礎になっています。

――学業面で、高校時代に特に力を入れたのはどのようなことですか?
ゴールまでの期間から逆算して、全教科の学習スケジュールを週次レベルまで明確にし、進捗管理していました。こうした取り組みによって無駄がなくなったと感じます。
――高校生活全体を振り返って思い出に残っていることを教えてください。
芸術科の雰囲気が校内を良い意味で鮮やかにしていて、豊かな学生生活だったと感じます。
――卒業生の方の目から見た浜松学芸高校の魅力をご紹介ください。
普通科と芸術科が共存していることにより学生生活を送る中で文化的なインプットも自然とあり、感受性が豊かな時期においては良い影響が大きかった気がします。
――現在のお仕事の内容を教えてください。
どのようなやりがい、手応えを感じていますか?
「生活者の不安と医療者の負担をなくす」ことをミッションに掲げ、全国の医療提供体制を下支えするサービスを提供する、ヘルスケアスタートアップの会社を経営しています。コロナ禍では、新型コロナ患者の入院病床が逼迫し、肺炎などを起こしても入院できない患者が目立ちました。私たちは、そうした入院待機者を含めた自宅・宿泊療養者への医療提供体制を地方公共団体と連携して整備し、2022年現在で約5,000万人の生活者を支える医療インフラとして活用されています。
――高校時代に学んだことが、現在の仕事にどのような形で役立っていますか?
校訓の「内観」「受容」「継続」は、社会人として大切なコンピテンシーを養ってくれました。どのようなソリューションを創出すれば社会課題の解決に繋がるのかをじっくりと考え、事業化に向けたビジネスモデルを判断し、ねばり強く行動することで事業化を進めてきました。今後もより良い医療の実現に向けて貢献していきたいと思います。

■先輩の声 vol.2

牧野 磨音さん 東京大学大学院
  • ■2017年度卒業
  • 早稲田大学人間科学部出身。東京大学大学院 農学生命科学研究科 応用生命工学専攻修士課程で研究に取り組む。

高校時代に身につけた姿勢が、
現在の研究につながっています。

――学業面で、高校時代に特に力を入れたのはどのようなことですか?
「何かの教科に特化したりおろそかにしたりすることなく全部力を入れること」に力を入れていました。理系選択だったのですが国語や地歴公民も好きでしたし、家庭科・音楽・保健体育のテストにも全力を出した覚えがあります。
――高校生活全体を振り返って思い出に残っていることを教えてください。
夏期の学芸ゼミの一環で「天浜線勝手に応援団」の活動を行いました。具体的には天浜線おにぎりを作ることと、ラジオやビジネスプランコンテストを通した発信です。友人と地元の良さを見つめ直したりその伝え方を模索したりと、定まった正解がない問題に対して自分たちなりの答えを探していくのは座学とは違う難しさと楽しさがありました。
また、私たちの卒業後に地域創造コースが新設され、より活動の幅が広げられているかと思います。その先駆けに関われたのは今振り返っての嬉しさですね。
――卒業生の方の目から見た浜松学芸高校の魅力をご紹介ください。
自分の担当教科について、知識だけでなくその面白さも一緒に伝えてくれる先生が多い気がします。自分自身が楽しんでいるからそれが自然と伝わってくるという感じですね。わからないことに関して一を聞いたら百くらいで返ってくることもしばしばありました。
生徒に関しては、特に私の周りでは「学芸愛」が強いです。卒業生が教師として戻ってくる例が多いことからもそう言えるのかもしれません。担任を含めてクラスを家族と思っている、というか学校自体を第二の実家のように捉えている人が多いのではないでしょうか。皆卒業後も帰省と母校訪問がセットのようになっていました。
――現在の専門分野について教えてください。
どのようなやりがい、手応えを感じていますか?
大学院で遺伝子の発現変動解析における新規解析手法の開発研究を行なっています。「生命とは何か」を情報科学の切り口から攻めていくバイオインフォマティクス領域での研究ですね。パッと出た1つの良いアイデアや技術が研究の最先端を切り開いていくようなとても進展の速い分野であり、自分の感覚やひらめきを信じて自由に取り組める柔軟さを感じています。
また研究自体はパソコン1つの世界で行われていますが、その結果は、例えば医療においては個別化された予防医学の進展や新規治療法・医薬品の開発、また農畜産業においては品質保証や生産の最適化など、多くの産業を横断するような貢献につながる可能性を秘めています。はっきりと定式化していない問題について考え続けることが好きな私としては、やりがいというか、感覚が合っている場所だと思っています。
――高校時代に学んだことが、現在どのような形で役立っていますか?
高校時代に育まれた「好奇心の強さ」と「アレルギーの少なさ」が、今の自分に役立っていると思います。先生は「まあ、お前は好きなことやっていれば良いよ」とずっと言っていましたし、天浜線の活動や検定取得など、何でもやれやれという感じで面白がってくれていました。「自分が楽しいと思うことなら何でもやって良い」という気持ちを持てたので、関心の赴くまま過ごした結果、今の研究室にいます。物理選択で情報の科目が苦手だった当時の私としては想像外のことです。
「これでなければいけない」というこだわりを捨てること、新しい知識を取り入れ続けること、ある事象に対して色々な角度からの考えを持つこと。学芸で身につけた「どこへでも進み何でも受け入れる姿勢」は、研究を行う上で大切な柔軟性につながっていると感じます。進路選択においてはやりたいことを1つに絞らなければならないと思いこみがちですが、そんなことはないので、その時一番楽しいと思う方向へ進めば良いのではないでしょうか。