探究創造科 科学情報 コース
01.科学情報/ミニ四駆プロジェクト



ミニ四駆のカスタムに取り組み、
あきらめない姿勢が身につきました。
ミニ四駆を使ったプロジェクトでは、さまざまな部品を試して走行したり3Dで車体のデザインを考えたりしてカスタムし、速さを競います。説明書もない状態でスタートするので初めは何も分からず、自分たちにできる作業をひたすら続けながら試行錯誤しました。費やした時間は、設計だけでも10時間ほどです。仲間とコミュニケーションを取りながらプロジェクトを進める難しさを感じましたが、取り組みを進める中でどんどん上達し、できなかったことができるようになりました。このプロジェクトを通して、あきらめずに一つのことを続ける力が身についたと思います。

02.科学情報/ロボコンプロジェクト



プログラム設計などを学び、
ロボットコンテストに出場しました。
エンジニアの育成を目標としたロボットコンテスト「ETロボコン」への出場をめざし、ロボットのプログラム設計を学びました。そして実際に、ETロボコンの「エントリークラス」と「プライマリークラス」に出場しました。大会本番に想定外だったのは、実際の競技環境でプログラムが思う通りに動かなかったことです。結果、受賞には至りませんでしたが、この経験が新たな課題の発見につながりました。現在は、周囲の環境に依存しない自己位置推定技術を使ったソフトウェアの研究を進めています。
自分のプログラムによって実際にロボットが走行した時は、プログラミングの楽しさとやりがいを強く感じることができます。この取り組みを通して、問題解決能力や高度なプログラミングの力が身につきました。

03.科学情報/プログラミングプロジェクト



自分たちでプログラミングを行い、
ライントレースなどのロボットを作りました。
この取り組みでは、ライントレース(床面に書いたラインに沿って動かすこと)やイルミネーション、サッカーをするロボットを作りました。私が特に難しさを感じたのは、ライントレース中にロボットに障害物をよける動きをさせることです。どのような動きをするのかを細かく考えながらプログラミングをした結果、うまく動作させることができました。先生から教わったことで印象に残っているのは、チームで話し合い、メンバーの意見を聞きながらプログラムを作ることの大切さです。今までできなかったことができた時の達成感はとても大きく、うれしさを感じました。

04.科学情報/紙づくりプロジェクト



自分たちでやり方を考えながら、
木の樹皮から紙を作りました。
このプロジェクトで私たちは、木の樹皮から紙を作りました。先生方の指導で印象的だったのは、正解を教えてくれないことです。紙や和紙を観察してヒントを得ようとしても、樹皮で紙が作れるのかどうかも、紙を作るために何が必要なのかも分かりません。先生方は近くで見守り改善点の助言はしてくれますが、進む道は自分たちで開拓していく必要があります。しかし、だからこそ「自分たちの力で正解を見つけたい」という意欲が湧き、ネットの記事や図書館の本を調べながら作り方を考えました。
今まで興味を持ってなかったことでも、こうして自分の手で探究する中で興味が湧き、「もっとやりたい」と思えます。これからも、知らないことを知らないまま通り過ぎるのではなく、「知りたい」という前向きな姿勢を持ち続けていきたいと思います。

これまでの実績紹介
【2024年度 活動内容】
- ・第29回日本難病看護学会 ポスター発表
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・静岡大学主催高校生探究・情報コンテスト2024 ポスター発表
(奨励賞、挑戦的課題チャレンジ賞 受賞) -
・ETロボコン2024 エントリークラス 参加(全国36位)
東海地区大会(プライマリークラス)参加(13位)
奨励賞を受賞しました。
静岡大学情報学部主催の「高校生探究・情報コンテスト」で、奨励賞を受賞しました。私が取り組んだテーマは、「難病患者とのコミュニケーション」です。難病患者の方が抱える課題を挙げるとともに、ALS(筋萎縮性側索硬化症)などの患者さんがコミュニケーション手段として使っている透明文字盤について調べ、紹介しました。
見た人に興味を持ってもらうために工夫したのは、透明文字盤をゲーム感覚で少し体験してもらいながら話を進めることです。実感を込めてしっかりと情報を伝えることができたと思います。その結果が実って受賞につながったことをうれしく思います。

【先輩の声】vol.1
- ■2024年度卒業
- 高校時代の3年間、意欲的にプログラミングに取り組み、コンテストや学会などで賞を受賞。2025年4月、公立はこだて未来大学システム情報科学部に入学した。

3年間で、プログラミングの力を伸ばすことができました。
- ――浜松学芸高校に入学した理由を教えてください。
- 中学3年の終わり頃にプログラミングに興味を持ち、「もっとプログラミングを学びたい」という意欲が沸き上がったことがきっかけです。情報系を重点的に学べるコースとして科学創造(現:科学情報)コースに興味を持ち、進学を決めました。
- ――高校3年間でどんな学びに力を入れましたか? またどんな力が身についたと思いますか?
-
プログラミングの力は、3年間でものすごく伸びたと思います。中学3年の時に取り組んでいたのは、キーボードを押すと三角形の一つの頂点が動くという、簡単なプログラムです。それが高1になると、JavaScript、CSS、HTMLなどを利用したゲームやサイトの作成を行い、高2では人工知能を利用したPythonを自主的に学んで研究課題に結び付け、コンテストや学会などでさまざまな賞を受賞しました。
高3では、受験勉強と並行してCC65というコンパイラを用いてファミコンのゲームソフトを開発し、電子辞書にインストールして遊びました。他にはオンラインで楽しめる簡易Python処理系、3Dゲーム、チャットアプリなども作成したほか、SVGという画像形式に興味を持ち、JavaScriptと合わせることで壁紙に利用できるサウンドビジュアライザーも作りました。
- ――コースの雰囲気や先生方の指導などで印象に残っていることを教えてください。
- 高2になってから本格的に研究などで四六時中パソコンを触る日々が始まりましたが、その時に私は教室の後ろにPCやモニターを置き、スピーカーやマイクを接続して研究がしやすい環境を作っていました。そういうことを先生方が許可してくださったことは、とてもありがたかったと思います。
- ――高校卒業後の進路を教えてください。
- 公立はこだて未来大学のシステム情報科学部に入学します。この大学を選んだのは、自分の学びたいことに力を注ぐためです。「プログラミングのためなら遠い北海道の大学でも挑戦する!」という思いを持って進学しました。2年生になったら成績順に希望学科を選べるため、1年次に頑張って勉強し、情報アーキテクチャ学科に進もうと考えています。また、3年生になると地域の課題解決に取り組む「プロジェクト型学習」があり、そちらも頑張って取り組みたいです。
- ――浜松学芸高校で身につけたことを将来にどう活かしたいですか?
- 大学卒業後の職業については、システムエンジニアなどのイメージは多少持っていますが、具体的なことは決めていません。どのような仕事に就くにしても、高校時代に学んだことを自分の将来に活かしていきたいと思います。
【先輩の声】vol.2
- ■2023年度卒業
- 高校時代の学びを通して、睡眠や運動などによる健康維持に関心を持つ。現在は同志社大学生命医科学部で、多くの人の健康維持を支えるための学びに取り組んでいる。

自ら考えて活動する中で、
物事を多角的に見られるようになりました。
- ――科学情報コースに入学した理由を教えてください。
- コースの紹介動画を見て、「自分のやりたいことに挑戦できる」という言葉に大きな魅力を感じました。また、他の学校やコースではなかなかできないプログラミングやフィールドワークの活動ができることを知り、このコースで3年間を過ごすことに大きな意味を感じました。
- ――特に印象に残っているプログラムは何ですか?
- 2年次の探究活動が一番印象に残っています。興味を持ったテーマに対してプログラミングや実験などそれぞれの方法で課題解決していく活動です。
友人に協力してもらいながら長い時間をかけて一つの実験結果を出せたことに喜びを感じました。この活動を通して、世界各地で行われているさまざまな研究に興味を持つようになりました。
- ――高校時代の学びを通してどんな力が身につきましたか?
- 「考える力」が身についたと思います。新たなアイデアを出すことや、最適な方法を導き出すことなど、このコースでは自ら考えて活動する機会が多くあります。考えることを繰り返したことで、一つの物事に対して多角的な視点で考えられるようになりました。
具体的には、探究活動で実験方法を考える際に、効率よく正確な結果を出す方法を見つけられるようになったと思います。
- ――科学情報コースの雰囲気や、コース全体の魅力を教えてください。
- メンバーと協業してさまざまな活動を行う中で、お互いのことを詳しく知ることができるのが魅力です。それぞれの趣味を共有し合うことができ、毎日の学校生活がとても楽しいものになりました。
また、科学情報コースはいつも明るくにぎやかな雰囲気があります。担任の先生はもちろん、各教科の先生方とも深く関わりながら楽しく学ぶことができました。このコースだからこそ、何でも悩みを打ち明けられる多くの友人ができたと思います。
- ――高校卒業後の進路について教えてください。
- 現在は、同志社大学生命医科学部医情報学科で学んでいます。私はもともと、睡眠や運動などによる健康維持に興味を持っていて、それに関する研究を高校時代に行いました。この活動が、健康維持にさらに興味を持つきっかけになり、大学進学後も健康の分野を学びたいと思いました。
大学では、多くの人の健康維持を支えるための学びに力を入れたいと思います。科学情報コースで学んだことを応用し、より専門性の高いことを学びたいと思っています。
- ――目標とする職業などがあれば教えてください。また、高校時代に身につけたことを将来にどう活かしたいですか?
- 具体的な職業はまだ決まっていませんが、健康維持の観点から社会貢献をしていきたいと考えています。高校時代を通して、学業的な面や物事に対する考え方はもちろん、友人関係や部活動を通して人間的にも成長できたと感じています。自分が身につけたことを活かし、どんな職業に就いたとしても誰かのためになる取り組みをしていきたいと思います。
【先輩の声】vol.3
- ■2023年度卒業
- 高校在学中は、プログラミングの学習や「情報・PC探究」での探究活動などに幅広く力を注ぐ。2024年、アメリカのテキサスA&M大学工学部に進学した。

航空宇宙産業に関わることを目標に、
アメリカの大学に進学しました。
- ――科学情報コースに入学した理由を教えてください。
- 小さい頃から科学に関することが好きでした。科学情報コースでは、自分でテーマを設定して自分の好きなテーマを研究できます。その点に興味を持ち、入学を決意しました。
- ――特に印象に残っているプログラムは何ですか?
- 特にプログラミングの授業が印象に残っています。「何をどう創るか」を考え、それをそのまま実現できるのがプログラミングの強みだと感じます。
私は浜松市南区の津波避難シミュレーションを行い、「本当にみんなが避難できるのか」を検証しました。自分のプログラミング能力を向上させながら、プレゼン力や計画力などを磨くことができました。
- ――今までの学びを通してどんな力が身につきましたか?
- 積極性を高めることができたと実感しています。小学校、中学校の頃はいつも他人任せにする傾向がありましたが、このコースでさまざまな課題やプロジェクトに取り組む中で、「自分で考え、自分で行動する」ことの大事さを学びました。結果として、コミュニケーション能力を高められたと思っています。
- ――科学情報コースの雰囲気や、コース全体の魅力を教えてください。
- 課題やプロジェクトでは生徒と先生方の関わり方が強く、親密な関係を築けることが魅力だと思います。また、自分自身の個性を引き出しながら、社会に必要な基礎力を身につけることができるのも、このコースの大きな魅力だと思います。そうした環境が整ったコースだからこそ、楽しみながら学ぶことができます。
- ――高校卒業後の進路について教えてください。
- 高校卒業後の進路は、アメリカのテキサスA&M大学工学部です。
大学での研究や活動を通して、航空宇宙産業に関わる人々と出会い、自分と似た夢を持っている人たちとのネットワークを築きたいと考えています。そのような行動に力を入れることによって、将来の目標に近づけると考えています。
- ――目標とする職業があれば教えてください。また、高校時代に身につけたことを将来にどう活かしたいですか?
- 将来は、航空宇宙産業に関わる職業に就きたいと考えています。大学、そして社会に出た後も、さまざまな困難に向き合うことがあると思います。その時にこのコースで身につけた「社会人基礎力」を活かして、それらの壁を必ず乗り越えられると思っています。
高校教育
Highschool