高校教育

探究創造科 科学情報 コース

01.科学情報/サイエンス・プロジェクト

テナガエビの研究を行い、
その成果を発表しました。

私たちが取り組んだのは、テナガエビの餌探索行動を解明するための研究です。テナガエビの嗅覚・聴覚に着目し、化学物質動態における反応を調べて学習能力の存在を研究しました。また、研究の結果を日本魚類学会でポスター展示し、成果を発表しました。研究の成果を大勢の人の前で話す時は緊張しましたが、聞く人が興味を持てるよう工夫し、自分たちの情熱が伝わるよう努めました。この経験を通して身についたのは、人に伝える能力やコミュニケーション能力です。他の参加者の研究内容を積極的に聴くことによって研究の方法や発表の形式などを参考にすることができ、さらに知識を深めることができました。

河合 陽祐
(浜松市立北部中出身)

02.科学情報/プログラミング・プロジェクト

身近な課題を取り上げ、
Webサイトを制作しました。

身のまわりの課題をテーマにしてWeb制作を行いました。私が取り上げたテーマは、「浜松市ギャラリーモール ソラモ」エリアの治安です。プログラミングソフトに触れること自体が初めてだったので、なかなか思い通りの構造にならず苦労しましたが、自分で調べたり友だちに聞いたりしながら修正することができました。
この取り組みを通して手応えを感じたのは、Webサイトの構造を学べたことです。普段何気なく見ているWebサイトを実際に作ることがどれほど難しいかを知り、驚きの気持ちと好奇心が湧きました。

今島 慧人
(浜松市立高台中出身)

03.科学情報/eスポーツ・プロジェクト

自分たちで改良を重ねながら
eスポーツの大会を開催!

eスポーツを授業に取り入れるために、私たちは「eスポーツによってどんな力が育つのか」を考えました。その上でクラスで行ったのが、eスポーツの大会です。初心者・経験者ともに楽しめるようルールを考え、ただのゲーム体験に終わらないよう改良を重ねました。
学校の授業時間なので、どうしても時間が限られます。その中でより良い大会を行うために、「改良点を探す」「改良案を考える」「改良案を実行する」という3つの役割を分担して取り組みを進めました。「自分たちで授業をつくる」という経験が、協調性や自主性の向上につながったと思います。

鈴木 拓海
(浜松市立西部中出身)

01.地域創造/科学情報・共同プロジェクト

地元の天竜材を活用して
商品づくりに取り組みました。

「林業プロジェクト」では、実際に木の伐切現場や加工現場を見学し、普段自分たちが使っているものがどのように作られているかを確かめます。その上で取り組んだのが、地元の天竜材を活用したものづくりです。木に今以上の価値をつけることをめざし、天竜スギやヒノキを使って線香や紙が作れるかを検証しました。
このプロジェクトに取り組む中で特に意識したのは、適切な実験を行って適切なデータを取ることです。自分たちが求めるデータを集められるよう、あきらめずに何度も集中して実験を行いました。

杉山 翔隆
(浜松市立八幡中出身)

これまでの実績紹介

【2023年度 活動内容】
「サイエンス分野」
  • ・令和5年度グローバルサイエンスキャンパス全国受講生研究発表会参加
  • ・日本魚類学会長崎大会 ポスター発表(複数名)
  • ・日本生態学会横浜学会 ポスター発表(複数名)
  • ・日本動物学会山形大会 ポスター発表(複数名)
  • ・静岡大学「未来の科学者養成スクール」参加(複数名)
  • ・山﨑自然科学教育研究助成 選出(複数)
「プログラミング分野」
  • ・ライフイズテックテックコンテスト2023冬 奨励賞(複数名)
「eスポーツ分野」
  • ・NASEF JAPAN CHALLENGE CUP in いばらき ビギナー部門 優勝
「高校生探究・情報コンテスト」で
審査員特別賞を受賞しました。

森林での植生調査を誰でも簡単に実現できる方法を研究しました。Pythonというプログラミング言語を使って物体検知用のAI(人工知能)を作り、JavaScriptという言語で予測プログラムを作成。落葉の種類の予測や、落葉樹の位置推測を行いました。
この研究の中で一番苦労したのは、必要な学習データをそろえることです。白い板の上に落ち葉を乗せて写真を撮り、画像内の物体を囲むアノテーション(AIで学習するための情報整理)の作業がとても大変でした。静岡大学の「高校生探究・情報コンテスト」で審査員特別賞を受賞できたことに満足感はありますが、優勝に届かなかったことへの残念な気持ちもあります。

土屋 柊人
(浜松学芸中出身)

■先輩の声 vol.1

藤代 大翔さん 同志社大学 生命医科学部 医情報学科
  • ■2023年度卒業
  • 高校時代の学びを通して、睡眠や運動などによる健康維持に関心を持つ。現在は同志社大学生命医科学部で、多くの人の健康維持を支えるための学びに取り組んでいる。

自ら考えて活動する中で、
物事を多角的に見られるようになりました。

――科学情報コースに入学した理由を教えてください。
コースの紹介動画を見て、「自分のやりたいことに挑戦できる」という言葉に大きな魅力を感じました。また、他の学校やコースではなかなかできないプログラミングやフィールドワークの活動ができることを知り、このコースで3年間を過ごすことに大きな意味を感じました。
――特に印象に残っているプログラムは何ですか?
2年次の探究活動が一番印象に残っています。興味を持ったテーマに対してプログラミングや実験などそれぞれの方法で課題解決していく活動です。
友人に協力してもらいながら長い時間をかけて一つの実験結果を出せたことに喜びを感じました。この活動を通して、世界各地で行われているさまざまな研究に興味を持つようになりました。
――高校時代の学びを通してどんな力が身につきましたか?
「考える力」が身についたと思います。新たなアイデアを出すことや、最適な方法を導き出すことなど、このコースでは自ら考えて活動する機会が多くあります。考えることを繰り返したことで、一つの物事に対して多角的な視点で考えられるようになりました。
具体的には、探究活動で実験方法を考える際に、効率よく正確な結果を出す方法を見つけられるようになったと思います。
――科学情報コースの雰囲気や、コース全体の魅力を教えてください。
メンバーと協業してさまざまな活動を行う中で、お互いのことを詳しく知ることができるのが魅力です。それぞれの趣味を共有し合うことができ、毎日の学校生活がとても楽しいものになりました。
また、科学情報コースはいつも明るくにぎやかな雰囲気があります。担任の先生はもちろん、各教科の先生方とも深く関わりながら楽しく学ぶことができました。このコースだからこそ、何でも悩みを打ち明けられる多くの友人ができたと思います。
――高校卒業後の進路について教えてください。
現在は、同志社大学生命医科学部医情報学科で学んでいます。私はもともと、睡眠や運動などによる健康維持に興味を持っていて、それに関する研究を高校時代に行いました。この活動が、健康維持にさらに興味を持つきっかけになり、大学進学後も健康の分野を学びたいと思いました。
大学では、多くの人の健康維持を支えるための学びに力を入れたいと思います。科学情報コースで学んだことを応用し、より専門性の高いことを学びたいと思っています。
――目標とする職業などがあれば教えてください。また、高校時代に身につけたことを将来にどう活かしたいですか?
具体的な職業はまだ決まっていませんが、健康維持の観点から社会貢献をしていきたいと考えています。高校時代を通して、学業的な面や物事に対する考え方はもちろん、友人関係や部活動を通して人間的にも成長できたと感じています。自分が身につけたことを活かし、どんな職業に就いたとしても誰かのためになる取り組みをしていきたいと思います。

■先輩の声 vol.2

加藤 遼さん テキサスA&M大学 工学部
  • ■2023年度卒業
  • 高校在学中は、プログラミングの学習や「情報・PC探究」での探究活動などに幅広く力を注ぐ。2024年、アメリカのテキサスA&M大学工学部に進学した。

航空宇宙産業に関わることを目標に、
アメリカの大学に進学しました。

――科学情報コースに入学した理由を教えてください。
小さい頃から科学に関することが好きでした。科学情報コースでは、自分でテーマを設定して自分の好きなテーマを研究できます。その点に興味を持ち、入学を決意しました。
――特に印象に残っているプログラムは何ですか?
特にプログラミングの授業が印象に残っています。「何をどう創るか」を考え、それをそのまま実現できるのがプログラミングの強みだと感じます。
私は浜松市南区の津波避難シミュレーションを行い、「本当にみんなが避難できるのか」を検証しました。自分のプログラミング能力を向上させながら、プレゼン力や計画力などを磨くことができました。
――今までの学びを通してどんな力が身につきましたか?
積極性を高めることができたと実感しています。小学校、中学校の頃はいつも他人任せにする傾向がありましたが、このコースでさまざまな課題やプロジェクトに取り組む中で、「自分で考え、自分で行動する」ことの大事さを学びました。結果として、コミュニケーション能力を高められたと思っています。
――科学情報コースの雰囲気や、コース全体の魅力を教えてください。
課題やプロジェクトでは生徒と先生方の関わり方が強く、親密な関係を築けることが魅力だと思います。また、自分自身の個性を引き出しながら、社会に必要な基礎力を身につけることができるのも、このコースの大きな魅力だと思います。そうした環境が整ったコースだからこそ、楽しみながら学ぶことができます。
――高校卒業後の進路について教えてください。
高校卒業後の進路は、アメリカのテキサスA&M大学工学部です。
大学での研究や活動を通して、航空宇宙産業に関わる人々と出会い、自分と似た夢を持っている人たちとのネットワークを築きたいと考えています。そのような行動に力を入れることによって、将来の目標に近づけると考えています。
――目標とする職業があれば教えてください。また、高校時代に身につけたことを将来にどう活かしたいですか?
将来は、航空宇宙産業に関わる職業に就きたいと考えています。大学、そして社会に出た後も、さまざまな困難に向き合うことがあると思います。その時にこのコースで身につけた「社会人基礎力」を活かして、それらの壁を必ず乗り越えられると思っています。