芸術科 美術 コース

「描く」「造る」の創作能力を磨きます。
- ■ 高度な技能と知識を身につけ、進路を切り開く
- ■ 発想力や審美眼を養う
- ■ 社会とつながり未来を創り出す
意欲的に美術を学んでいます。
美術に触れることに楽しさを感じ、「この道をきわめたい」と思って学芸の美術コースに入学しました。
美術コースでは、1年次に美術の基礎を学び、2年次からは油絵、日本画、彫刻、デザインの各専攻に分かれて活動します。選択肢が多いため最初は迷うこともありましたが、学びを重ねる中で自分の目標を見つけ、デザインの道を選びました。
校内の活動にとどまらず、一般の方の目に触れやすい場所での課外活動に参加できることも、美術コースの魅力です。他校の生徒や地域の方々、アーティストの方々とも交流する機会があり、その中で得られるものがたくさんあります。そうした学びを通して、美術を学びたいという「向上心」や、伝えたいことを形にする「表現力」が養われました。同じ美術の道を志す友だちとの交流を大切にしながら、日々意欲的に活動を続けています。

教育プログラム
■4つの専攻別教育
1年次には幅広く基礎を学び、2年次からは4つの専攻の中から一つを選択し、より専門的な学びを深めていきます。
油絵専攻

油絵専攻では、静物や人物などをモチーフに油絵を基礎から学びます。さらに心象風景や立体構成など抽象性の高い課題にも積極的に取り組んでいます。基礎をしっかりと学んだうえで豊かな表現力を養います。
日本画専攻

静物・石膏デッサン、水彩絵の具を使った制作などを通して、日本画の制作に必要な描写力を身につけます。道具や画材、伝統的な技法について学ぶほか、岩絵の具や和紙を使った本格的な日本画実習も行います。
デザイン専攻

デザインに対する多様なニーズに対応し、平面・立体・空間の3つの領域でデザイン表現を学びます。デッサン・色彩構成・立体デザイン・CG制作などを通して確かな表現力と発想力を磨きます。
彫刻専攻

彫刻専攻の授業では、まずデッサンを通して基礎的な表現力を養います。さらに水粘土などを使って立体的にものを見る力や表現力を習得します。その後立体作品の制作技術や造形理論などを幅広く学んでいきます。
■芸術の楽しみを広げる、「美書タイムVision」。
美術コースと書道コースでは、土曜日に「美書タイムVision」という時間を設けています。
Visionの目的は、生徒を自立した学習者として尊重し、主体的・対話的な深い学びに導くことです。5年後、10年後、その先の将来を見据えて視野(広い視界で見る能力)を広げ、見る力や感じる力の基礎を養います。「進路研究」を通して自分の方向を定め、「特別講座」で校内の学びとは違った体験をし、さらに「演習(実技)」と「鑑賞」を連携させて成果につなげます。
美術や書道の学びでは、自分自身と向き合いながら制作に取り組むことが必要です。その過程では、自分の成長をはっきり自覚しにくく、芸術を究めることの苦しさを感じるかもしれません。しかし、美術や書道の学びには、そうした困難を上回るほどの魅力があります。Visionの時間を通して学びの幅を広げ、芸術の魅力を存分に感じてほしいと思います。

■コースの枠を超えた取り組みを行います。
美術・書道合同演習や他コースと連携した演習など、コースの枠を超えた取り組みを行うこともVisionの特長です。他分野との連携が自分の視野を広げ、自分の求めるものにどう近づくかを考えるきっかけになります。校内だけでなく地域社会とのつながりを育み、広く芸術文化の発展と創造に貢献することをめざします。
下記の取り組みは、Visionの一環として行いました。

はみいART展
2025年に創立75周年を迎える「浜松いわた信用金庫」の記念事業の一環として、同金庫のイメージキャラクター「はみい」ちゃんをモチーフにした「はみいART展」を開催しました。日本画、彫刻、油絵、デザインの4専攻それぞれの特色を生かし、生徒たちが自由な発想で制作した作品を、記念式典の会場に展示しました。なお、これらの作品は今後、各支店を巡回展示する予定です。

コネクテッド・インク×TKG
(株)ワコムが主催する、アート・教育・テクノロジーを包括したイベント「コネクテッド・インク」。その凝縮版イベントが、本校新館のクリエイティブ・ラボを会場に開催されました。最新テクノロジーを活用したモーションキャプチャー&3Dアバター体験や、「Life Ink」などのコンテンツ体験をはじめ、原型師や映像制作会社による展示、イラストレーターによるライブドローイング、本校OB・OGの作品展示など、多彩なプログラムが行われました。
年間イベント
■ 2025年度 美術コースの主なイベント(予定)

作品展
卒業制作と位置付け、毎年芸術科美術コース・書道コースの作品展を実施しています。美術コースはデッサンに加え、油絵・日本画・彫刻・デザインの4専攻の特性を活かした自由制作など100点程度を展示しています。併せて、被災地支援を目的としたチャリティー募金も行っています。
これまでの展示は「Web作品展」としてご覧いただけます。

文化祭
文化祭では、1年生がクラスでの展示を実施し、2年生はファッションショーや映像表現、ライブペイントなどを総合的に織り交ぜたパフォーマンス「Art Live」をおこなっています。また、美術専門部では3年生が中心となって運営し、作品展示やバッジ作りのワークショップを実施しています。

校外学習
美術コースでは、鑑賞体験の一環として、県内や近隣県の美術館・博物館などを訪れています。多種多様な名品を直接鑑賞することは、創作への理解を深め、技法を学ぶ上で重要です。2024年春に実施した校外学習では、「静岡県立美術館 ~テオ・ヤンセン展~」と「ふじのくに地球環境史ミュージアム」を訪問しました。静岡県立美術館では、テオ・ヤンセン氏の独創的なストランド・ビーストに魅了されるとともに、美術コースの創設に深く関わった浜松出身の画家 中村宏氏の作品なども鑑賞しました。さまざまな表現や分野に触れ、新たな発見や視点を得る貴重な機会となりました。また、秋には焼き物の里である常滑を訪れ、特徴的な街並みを楽しみながら、登り窯や作家の工房を見学し、陶芸体験も行いました。

実技講習会
夏季・冬季の長期休暇期間中には、大型作品制作を中心とした実技講習会を開催しています。この講習会は、生徒が主体的に日頃の学びを発展させ、より高度な表現に挑戦する機会となっています。実際に、ここで制作された作品は静岡県高等学校総合文化祭美術・工芸部門で静岡県代表に選出され、全国読書感想画中央コンクールでは文部科学大臣賞を2年連続で受賞するなど、成果につながりました。生徒たちは、講習会を通じて技術と感性を磨き、自らの表現を深めています。

修学旅行
修学旅行では、広島現代美術館や宮島、直島の地中美術館など中国地方の代表的な美術館や名所を巡ります。自由研修日も多く取り入れ、主体的な研修をおこなっています。

東京5美術大学卒業制作展見学
2月には、東京五美術大学の卒業作品展を見学しました。年齢の近い美術大学生の作品に触れる体験が、制作の参考になるだけでなく、自分の進路を考える上での情報収集の機会にもなり、大きな刺激になりました。
主なイベント(予定)
- 〇4月
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- 校外学習(美術館見学など)
- 〇6月
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- 文化祭(作品展示・アートライブ)
- 〇7月下旬~8月
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- 夏期実技講習会
(高1・2は大作制作・ 高3は受験対策など)
- 夏期実技講習会
- 〇8月
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- 夏期ゼミ(100以上の学科講座)
- 〇9月
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- 高3作品展(クリエート浜松)
- 遠足(大学や美術館の見学)
- 〇11月
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- 高2修学旅行
- 〇12月
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- 高1実技専攻説明会
- 冬期実技講習会(裸婦デッサンほか)
- 〇2月
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- 東京5美術大学卒業制作展見学
(国立新美術館)
- 東京5美術大学卒業制作展見学
地域との連携イベント

まちを歩いて映像を作ろう
建築家・小野淳さんが主催する「DEMO.lab」のプログラム「まちを歩いて映像を作ろう」に参加しました。普段、何気なく通り過ぎているまちを歩き、自分の視点で捉え直して映像化することで、社会や建築との関わりについて考える良い機会となりました。最終発表会は浜松市立高校で、浜松市立高校美術部のみなさんとともに実施しました。

はみいART展
2025年に創立75周年を迎える「浜松いわた信用金庫」の記念事業の一環として、同金庫のイメージキャラクター「はみい」ちゃんをモチーフにした「はみいART展」を開催しました。日本画、彫刻、油絵、デザインの4専攻それぞれの特色を生かし、生徒たちが自由な発想で制作した作品を、記念式典の会場に展示しました。なお、これらの作品は今後、各支店を巡回展示する予定です。

「コネクテッド・インク2024」
美術コースでは、2021年より、(株)ワコムが主催する「コネクテッド・インク」に参加しています。このイベントは、電子機器の開発を手がけるワコムが、「アートや学び、そしてそれらを支える新しいテクノロジーを推進し、創造性の未来を模索する場」として毎年開催しているものです。今年度は、「日常」をテーマに、日々美術を学ぶ在校生と、イラストレーターや造形師として活躍する2人の卒業生の「日常」を、会場でのトークセッションや映像を通して紹介しました。

地域との連携や作品展示
作品は、展示する場所があり、それを見てくださる方がいてこそ、芸術という文化として成立すると考えられます。その思いのもと、作品を通じたコミュニケーションの機会を広げることを目的に、生徒が制作した作品を聖隷浜松病院、BOOKSアマノ布橋店、ネッツトヨタ入野店 にて定期的に展示しています。さらに、ネッツトヨタ入野店では、店内に設置されたグランドピアノにイラストを描かせていただきました。

校外グループ展
自主制作した作品を校外で展示するセルフプロデュース活動が、毎年活発に行われています。この活動では、展示場所の選定や運営団体との交渉、広報活動などを、生徒自身が主体的に進めています。これまでに、浜松市内の平野美術館、KAGIYAギャラリー、スズヤ(株)、ツインギャラリー蔵、MEI COFFEE & GALLERY ほかで実施しています。

浜松クリエーターズフェス
2024年7月、「浜松クリエーターズフェス Vol.1」が開催されました。美術コースの生徒は、イベントテーマである「みんなの窓」をもとに、浜松ゆかりの作家とディスカッションを重ね、いくつかのグループに分かれて共同制作を行い、完成した作品を展示しました。会場では、ワークショップやライブペインティング、トークイベントなどが実施され、カフェや食品販売も行われるなど、多くの来場者でにぎわいました。

版画家・遠藤美香さん
2022年に浜松美術館で開催された「遠藤美香展~ここに根をはれ~」の開催期間中、本校生徒を対象に、美術コース卒業生で版画家の遠藤美香さんによる特別講座を浜松市美術館で実施しました。

カーデザイナー・佐々木敦さん
本田技研工業(Honda)でカーデザイナーをしている美術コース卒業生の佐々木敦さんが来校し、自身の仕事や進路への準備、美術大学のことなど、夢の実現に向けた道筋を具体的に講話しました。
- 2022年
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- (株)ワコム主催「2022コネクテッド・インク」参加
- DEMO lab主催「まちを歩いて映像を作ろう」参加
- かんざんじ荘ラウンジスペースにて黒板アート展示
- 「がんばろう!商店街」作品出品
- グループ展セルフプロデュース
- 聖隷浜松病院と協働し、絵本を制作
- 2023年
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- (株)ワコム主催「2023コネクテッド・インク」参加
- DEMO lab主催「まちを歩いて映像を作ろう」参加
- グループ展セルフプロデュース
- 遠鉄百貨店35周年記念イベント参加
- 踊る浜松出世パーク アートパフォーマンス参加
- アソカ美波幼稚園壁画修復
- 2024年
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- (株)ワコム主催「コネクテッド・インク2024」参加
- コネクテッド・インク×TKG(美術コース)本校にて開催
- DEMO lab主催 「まちを歩いて映像を作ろう」参加
- 浜松クリエーターズフェスvol.1 参加
- 浜松いわた信用金庫設立75周年記念イベント「はみいART展」開催
卒業後の進路

- ■2001年度卒業
- 山本 英雄さん
- 武藤染工(株)

- ■2007年度卒業
- 佐藤 仁美さん
- アーティスト

- ■2015年度卒業
- 高水間 彩花さん
- グラフィックデザイナー

- ■2016年度卒業
- 木村 大祐さん
- イラストレーター
- 画家
- 版画家
- 建築家
- 国立印刷局技官
- グラフィックデザイナー
- ウェブデザイナー
- 教職員
- プロダクトデザイナー
- カーデザイナー
- CGクリエイター
- 映像編集
- CMエディター
- CADデザイナー
- 学者
- イラストレーター
- アニメーター
- ゲームクリエーター
- スタイリスト
- 造形師
- 漫画家
高校教育
Highschool