芸術科 書道 コース
書道コースの学び
浜松いわた信用金庫75周年
決起大会書道パフォーマンス

【在校生の声】多くの人の前でのパフォーマンスが、
自分の成長につながりました。

- ――校外で行われる活動の中で、特に印象に残っていることを教えてください。
- 「浜松いわた信用金庫75周年事業」の一環として、決起大会で書道パフォーマンスを行ったことが特に印象に残っています。練習時間があまり取れない中で、リーダーを中心に、自分たちで計画を立てて練習に取り組みました。
- ――取り組みを通してどんなやりがいを感じましたか?
- 私たちのいるステージと観客との距離が近く、楽しんでくださっている人の表情や声、拍手などがしっかりと届き、喜んでいただけるパフォーマンスができて良かったと思いました。多くの人の前に出る機会はなかなかないので、この経験を通してひとつ成長できたと思います。
- ――その他に、思い出に残る取り組みはありますか?
- 特に印象に残っているのが、文化祭です。書道コースでは毎年、作品展示やうちわの即興書きを行います。それを通していろんな方から「上手」という反応や感謝の言葉をいただけるので、やりがいを感じることができます。書道を身近に感じてもらえるいい機会になっていると思います。
- ――書道コースの学びにはどのような面白さや奥深さがあると思いますか?
- 充実した環境で書道を専門的に学べることが魅力だと思います。基礎から実用的なことまで段階的に書道を学べるほか、歴史などの専門的な知識も身につけることができます。そうした学びを通して達成感を味わい、自分自身の成長を実感することができます。
- ――今後実現したい目標を教えてください。
- 書道の面白さを多くの人に伝えていきたいと思っています。今、手書きの文化自体が廃れつつある中、私たちは書道に取り組み、手書きの必要性や楽しさを学んでいます。少しでも多くの人に書道を身近に感じ、楽しんでもらえるようにしていきたいと思います。
2024年度 受賞作品
大きな達成感がありました。
この作品は唐時代の隷書で波磔(はたく)と呼ばれるはらいに特徴があるため、一目見てそれが分かるように筆を深く沈め、穂先から慎重に筆を離脱させ、柔らかさがありながらも深く堂々とした線を意識して書きました。多字数のためたくさんの時間をかけて一枚の作品にしました。一文字一文字丁寧に臨書しつつも、自分なりの表現を加えることができたと思います。その努力が賞の受賞につながった時、「頑張った」という達成感がありました。このような素晴らしい賞をいただき、本当にうれしく思います。
書道コースは、文字を書くことを通して自己表現ができる場です。集中力を高め、精神を整える過程で、技術的・内面的な成長を実感できます。書道を通して培った力を活かし、これからもいろいろなことに挑戦していきたいと思います。

作品制作となりました。
始平公造像記の紙面構成では、六文字の大字部分で墨の潤滑や太さ、起筆の力強さなどを前面に出して迫力を与え、本文では筆の弾力を使用した柔らかな運筆と横画の右上がりを意識して全体の統一感を出しました。
制作する中で特に努力した部分は、本文の渇筆です。同じ箇所に似たような渇筆が入ると単調な雰囲気になってしまうため、渇筆の形や余白に差をつけ、変化を出しました。一方で全体の統一感も必要になるので、「変化」と「統一」が同居した見ごたえのある作品になるよう仕上げました。練習を重ねて努力したことが受賞という形で認められ、とてもうれしく思います。書けば書くほど技術が高まり、自分を大きく成長させてくれる作品制作となりました。多くの時間をかけて取り組んできて良かったと強く思います。

これまでの実績紹介
【近年の主な受賞歴・課外活動】
◆第48回全国高等学校総合文化祭岐阜大会 書道部門
奨励賞
◆第47回全国高等学校総合文化祭鹿児島大会 書道部門
特別賞
◆第46回全国高等学校総合文化祭東京大会 書道部門
読売新聞社賞・奨励賞、特別賞
◆令和6年度静岡県高等学校総合文化祭書道部門
静岡県教育委員会教育長賞(最高賞)・静岡県高等学校文化連盟会長賞
◆令和5年度静岡県高等学校総合文化祭書道部門
静岡県教育委員会教育長賞(最高賞)・静岡県高等学校文化連盟会長賞
◆令和4年度静岡県高等学校総合文化祭書道部門
静岡県教育委員会教育長賞(最高賞)・静岡県高等学校文化連盟会長賞
◆国際高校生選抜書展~書の甲子園~
団体 全国準優勝2回、中部北陸地区優勝8回・準優勝3回
個人 準大賞・優秀賞・秀作賞
◆センバツ(春の甲子園)出場校プラカード揮毫7回
(※そのうち1回は新型コロナウィルス感染症蔓延により大会中止)、出場校応援動画作成
◆高円宮杯日本武道館書写書道大展覧会
高円宮賞(最高賞)2回・日本武道館理事長賞・全国都道府県教育長協議会賞・全日本書写書道教育研究会賞・フジテレビ賞
◆全国書道展(大東文化大学)
文部科学大臣賞(最高賞)3回・大東文化大学学長賞・書道研究所所長賞
◆中日書き初めコンクール
文部科学大臣賞(最高賞)2回・中日大賞・静岡県知事賞・中日準大賞・浜松市長賞・中日賞他
◆高校生国際美術展
高校生国際美術展会長賞・東京都知事賞・秀作賞・奨励賞
◆全国高校書道展
学長賞(最高賞)理事長賞・副学長賞
◆全国書道展(岐阜女子大学)
大賞(最高賞)・準大賞・静岡県教育委員会教育長賞・大学賞
◆学芸書道全国展
文部科学大臣賞(最高賞) 東京学芸大学学長賞・会長賞・全日本書写書道教育研究会賞
◆全国学芸サイエンスコンクール
学校特別奨励賞(アート分野 書道部門)旺文社赤尾好夫記念賞(金賞)・(入選)
◆高文連書道専門部西部支部書作展
高文連会長賞・特別奨励賞
◆高校生刻字展
団体準優秀賞・第15回記念賞・準大賞
◆第43回静岡県書道連盟公募展【高校部門】
静岡県知事賞(最高賞)・SBS静岡新聞社賞
◆静岡県書道連盟書きぞめ展西部地区
県知事賞(学年最高賞)・特別奨励賞・県議会議長賞
◆東海学生書道コンクール
県知事賞(最高賞)・県教育長賞・大賞・準大賞
【在校生の声】vol.1
授業から部活動まで友だちと
励まし合い、お互いを高め合える
ことが魅力です。

- ――浜松学芸高校の書道コースに入学した理由を教えてください。
- 書道を専門的に学べる環境が整っていることに魅力を感じました。また、オープンスクールに行った時にあたたかくて良い雰囲気だと感じたことも、浜松学芸高校の書道コースに進学した理由です。
- ――書道コースの学びについて、どのような特徴があると感じていますか?
- 書道コースは篆書・隷書・楷書・行書・草書という多様な書体を学ぶことができます。また、小筆で繊細な仮名の文字を書いたり、書道史という授業で書の表現の変化を学んだり、幅広い視点から書道を専門的に学ぶことができます。
- ――先生方の指導について、特に印象に残っていることを教えてください。
- 苦手な字を書く時や、書くコツがつかめない時には、先生が目の前で実践しながら教えてくださいます。とても丁寧にやさしく教えてくださったことが印象に残っています。
- ――イベント面での書道コースの魅力を教えてください。
- 文化祭で取り組む「うちわ即興書き」は書道コースの名物です。お客さんから書いてほしい言葉を聞き、リクエストされた言葉を即興で書きます。お客さんとコミュニケーションを取りながら文字を表現し、お客さんに喜んでいただける、とても魅力的な取り組みです。
- ――書道コースの学びにはどんな「楽しさ」があると思いますか?
- 友だちと切磋琢磨しながら書道をたくさん学べることが、書道コースの楽しさです。授業の時間から部活動の時間まで友だちと励まし合い、お互いを高め合いながら過ごせることに充実感と楽しさを感じます。
- ――自分自身でどんな成長を実感していますか?
- 書道コースに入学してから、以前よりも上手に字が書けるようになりました。お手本のとらえ方や筆の動かし方など多くのことを学び、書道に対する姿勢が変化したことが、上達につながっていると思います。これからも、お手本を見て理解したことを上手に表現できるようになりたいと思います。
【先輩の声】vol.1
- ■2014年度卒業
- 京都橘大学日本語日本文学科
書道コース卒業 -
(仕事の経歴)
・濵本祐介×香寳 盆栽×書道 合同展
・NEWoMan新宿アートパフォーマンス出演
・ONIMARU-NFT アートトイコラボ制作
・新宿都庁前キッズプロジェクト出演
・書道界で活躍する女流書家4人による『0展』を東京・名古屋で3度開催

自分にはない感性を持った友人に出会い、
楽しく書道を学ぶことができました。
- ――学業面で、高校時代に特に力を入れたのはどのようなことですか?
- 公募展などで賞を受賞することや作品展など常に目標を持ち、毎日数時間筆を執り書道と向き合ったことです。
- ――高校生活全体を振り返って、思い出に残っていることを教えてください。
- 私たちのクラスは切磋琢磨し合える関係でありながら、和気藹々としたみんなの個性が溢れていてとても楽しかった思い出があります。そして現在でも親交があり、お互いの展示会に行ったり仕事の近況を話し合ったり、とても良い関係性を築くことができています。
- ――卒業生の方の目から見た浜松学芸高校の魅力をご紹介ください。
- 芸術に力を入れている浜松学芸高校だからこそ、とても良い環境で書道を学ぶことができたと思います。そして書道コースの先生方が常に真摯に向き合ってくださるので、より楽しく書道を学ぶことができました。 また美術コース、音楽コースなど色々なコースがあり、自分にはない感性を持った友人に出会えました。そうした経験ができることも浜松学芸高校の魅力だと思います。
- ――現在のお仕事の内容を教えてください。
また、どのようなやりがい、手応えを感じていますか? - 書道家として、作品展の開催や、飲食店・美容サロンなどへ作品の提供、看板・ロゴ制作などのクライアントワーク、パフォーマンスなどを行っています。 やりがいを感じるのは、香寳の作品がお客さんの手元に渡り、感動してもらえた瞬間です。香寳の作品を通して人に何かを感じてもらえた時が一番嬉しいです。また、書道を通して人に勇気や感動を与えられるということはとても素敵なことだと実感しています。
- ――高校時代に学んだことが、現在の仕事にどのような形で役立っていますか?
- 書道の技術と共に古典や時代背景を勉強できたことは現在の作品制作の軸となる大事な部分であり、書道家活動をするうえでの自信にも繋がっていると思います。
【先輩の声】vol.2
- ■2017年度卒業
- 東京学芸大学教育学部中等教育教員養成課程
書道専攻卒業

作品展をみんなで作り上げたことが、
高校生活の一番の思い出です。
- ――学業面で、高校時代に特に力を入れたのはどのようなことですか?
- 常に、書のエキスパートである先生方から、できるだけ多くのことを吸収しようという思いで学んでいました。また、書道の指導者になることをめざしていたので、書に関する知識や技術を広く、深く身につけることを意識して、書道に取り組みました。
- ――高校生活全体を振り返って思い出に残っていることを教えてください。
- 高校での学びの集大成として行った作品展が印象に残っています。 作品制作を通して、自分の書や自分の表現と真摯に向き合うことができました。そして、仲間と共に協力し励まし合いながら取り組むことで、「作品展をみんなで作り上げたんだ」という達成感を得られたことが、高校生活で一番の思い出です。
- ――卒業生の方の目から見た浜松学芸高校の魅力をご紹介ください。
- 浜松学芸高校の書道コースの魅力は、書道のエキスパートであり頼りになる先生方がいらっしゃることと、書道に打ち込める環境があることだと思います。
- ――現在のお仕事の内容を教えてください。
また、どのようなやりがい、手応えを感じていますか? - 書道教諭として、岐阜県の公立高校に勤務しています。生徒が書を通して自己表現する場面に直接関われることにやりがいを感じています。また、生徒自身が成長を実感している姿や書を楽しんでいる姿を目にした時も、やりがいを感じます。
- ――高校時代に学んだことが、現在の仕事にどのような形で役立っていますか?
- 高校時代に出会った先生方は私の目標であり、先生方から指導していただいたことは、今の私が授業や部活動の指導をする上での根幹をなすものになっています。 高校時代、「よりよい作品」をめざして練習に励んできた経験が、今は「よりよい授業」「よりよい指導」をめざして日々学び、そして実践することにつながっていると感じています。
高校教育
Highschool