高校教育

高校卒業生座談会

2024年度卒業生座談会

中村 梨乃さん

普通科 特進コースを卒業。2025年4月より東北大学 工学部 建築・社会環境工学科に進学。

松島 柊侑さん

普通科 特進コースを卒業。2025年4月より名古屋大学 情報学部 コンピュータ科学科に進学。

窪園 悠花さん

探究創造科 科学創造(現:科学情報)コースを卒業。2025年4月より京都工芸繊維大学 工芸科学部 応用化学課程に進学。

大村 優美香さん

芸術科 美術コースを卒業。2025年4月より多摩美術大学 絵画学科 日本画専攻に進学。

3年間の努力が実り、第1志望の大学に合格できました。

――浜松学芸高校に入学した理由を教えてください。
■中村:
中学生の頃に学芸のオープンキャンパスに来て、先生や生徒の雰囲気がいいなと思ったことがきっかけです。単願受験で学芸に入学しました。
■窪園:
私もオープンスクールに来ました。その時に、理科系の分野に力を注いでいるコースがあることを知り、科学創造(現:科学情報)コースに興味を持ちました。
■松島:
私は公立高校の併願校として学芸に入学しました。
■大村:
中学生の頃から「芸術の道に進みたい」と思っていて、芸術系を学べる高校を探す中で学芸の美術コースを選びました。
――高校3年間で、学業面でどんなことに力を入れましたか?
■中村:
私は定期テストの時の勉強にすごく力を入れて、毎回トップをめざして頑張りました。
■松島:
中村さんは常にトップクラスの成績でした。私は高1の頃は「いかに効率を高めるか」を重視して、放課後の2時間くらい集中して勉強していました。やる気に火がついたのは高2の冬からです。高3になって、中村さんと競い合えるくらいに成績が上がりました。
■窪園:
科学創造(現:科学情報)コースは、それぞれの生徒が興味を持っているテーマに取り組む感じでした。私が力を入れたのは生物系の研究です。最近、浜名湖でアサリの漁獲量が減っていて、その原因の一つに「ツメタガイ」による食害があります。私たちは浜名湖岸でアサリを採取し、ツメタガイ被害の実態を研究して日本動物学会などで発表しました。
■大村:
美術コースでは、2年生の時に油絵、日本画、デザイン、彫刻の4専攻に分かれます。その中で私は日本画を専攻しました。各分野の専門の先生から学ぶことができ、美術に関するさまざまな体験ができて3年間がとても楽しかったです。(大村さんは、3年次に「第46回県日本画展」一般の部で最高賞の県文化協会長賞を受賞)
――先生の指導についてはどんなことが印象に残っていますか?
■中村:
昼休みなどを使って面談をするなど、授業以外の時間も親身になって指導してくださったことが印象に残っています。
■松島:
学芸の先生方は、「面談をしてください」と言えば、予定にない面談でも時間を作って実施してくれます。先生方を頼りにしている生徒は多かったと思います。
■窪園:
わからない問題があって放課後に聞きに行くと、とても丁寧に教えていただきました。たとえば数学の過去問などの答案を見せに行った時、解き方などを詳しく教えてくださいました。先生方に頼る場面がたくさんありました。
■大村:
美術コースでは普段から、自分の描いている絵について先生方に相談する機会が多いです。たとえば、自由制作をしていて「この先どう描き進めていこうかな」「もう少しこの絵が良くならないかな」と考えるタイミングで、先生に「どう思いますか?」と質問したりします。いつも親身になって指導していただきました。
――受験先を決める際や受験準備をする際も先生のアドバイスを受けましたか?
■中村:
はい。進路を決める時に相談に乗っていただいたり、大学入試の過去問の添削をしていただいたりしました。
■松島:
印象に残っているのは、大学受験の際に提出する「調査書」という書類を、先生が事前に把握して全員分用意してくださっていたことです。こちらからお願いする前に「もう準備してあるから取りに来ていいよ」と言われて驚きました。
■窪園:
私は大学に進んで何をやりたいかが分からなかったのですが、高1の時から先生からいろんな大学のことを教えてもらう中で、少しずつ関心が湧いてきました。自分からも「この大学はどうですかね?」という形で相談していました。
■大村:
美大の場合は、大学によって受験方式などがかなり変わってくるんです。「この大学は総合型選抜がある」とか「こんな受験方式がある」という詳しい情報を先生方から教わりました。また、一般的に美大を受ける人は、美術の予備校に通う場合が多いのですが、私を含めて美術コースの生徒はほとんど予備校に通わず、コースの先生の指導だけを受けて美大に合格しました。普通科に通いながら美大をめざす場合と大きく違う点だと思います。
大学選びについては、いろいろな大学の説明が聞けるイベントに参加したり、在学生が実際に制作した作品なども見たりして検討し、多摩美術大学を受験することを決めました。
――改めて、みなさんが卒業したコースにどんな魅力があったと思いますか?
■大村:
美術コースの生徒は個性豊かな人ばかりで、いろんな専攻の人と接する中で刺激を受ける機会がたくさんあります。また、友だちとグループ展を企画して学校外の会場で開催するなど、他の学校ではできない体験がたくさんできました。
■窪園:
科学創造(現:科学情報)コースの先生方は、私たち生徒が何かを「やりたい」と言った時に、必ず「こうしたら実現できるよ」と前向きなアドバイスをくださいます。私はそのおかげで自分の好きな研究に取り組めましたし、その経験が大学進学にもつながりました。「理系の分野でやりたいことがある人はぜひ!」と伝えたいです。
■中村:
特進コースは勉強に力を入れている生徒が多く、男子がいつも教室の後ろの黒板に数式をいっぱい書いたりしていました。勉強を頑張ることに対してみんな前向きで、ライバルとして一緒に勉強に取り組める人がたくさんいました。一方で、文化祭などのイベントや日常生活も楽しく、「勉強」と「学校生活」の両方を楽しめて良かったと思います。
■松島:
中村さんの言う通り、「友だちと一緒に頑張る」という雰囲気はありました。共通テストが終わった頃のことですが、一人の友だちから急に「実は、お前のことをひそかにライバルだと思って勉強してきた」と言われたんです。普段は仲良くしているのですが、勉強に関してはお互いに切磋琢磨できる関係があったと思います。
最初に話した通り、私は公立高校の併願校として学芸に入学しました。高2の冬から塾に通ったのですが、自分が入れなかった高校の生徒がそこに何人もいて、彼らの姿を見て「絶対に負けない!」と思いながら勉強してきました。その結果、第1志望の大学に合格できてうれしく思います。
――皆さんは志望する大学に合格して、これから大学生活が始まります。大学でやりたいことやその先の目標を教えてください。
■中村:
私が取り組みたいのは災害対策の分野で、津波対策や減災に役立つ構造物について学びたいと思っています。東北大学はそうした分野の研究が盛んだと聞いているので楽しみです。将来は、災害対策の事業と地域の人たちをつなぐ役割ができるような仕事に就けたらいいなと思っています。
■松島:
私は子どもの頃からプログラミングなど情報系のことが好きで、そういうことを学べる学部が名古屋大学にあると知って志望しました。将来の目標は、ソフトウェアのシステムデザインをしたり、ITのコンサルティングをしたりすることです。自分の作ったシステムを通して人の役に立てるようになりたいと思います。
■窪園:
まだはっきり将来のことを決めたわけではありませんが、生分解性プラスチック(微生物のはたらきによって分解できるプラスチック)を作ることに興味があります。自然に還るプラスチックを作ることに貢献したいと思います。
■大村:
私の将来の目標は、アニメーション背景美術の分野で自分の力を活かすことです。今の時代はアニメの背景が3Dで描かれることも多いと思いますが、その中でも変わらない手描きの背景ならではの良さがあると思います。そういうものを次の時代に残すことに貢献したいと思っています。

※掲載情報は取材時(2025年3月時点)のものです